日本語クラスに通い始めた頃と比べると、見違えるほど日本語が達者になった学習者が、「ひらがなは漢字より先にあったんじゃないんですか?」と訊くので、「いいえ。ひらがなは漢字から作られたんです」と答えたら、びっくりしていました。
 しかし、自分だって、ひらがなのもとになった漢字をみんな言えないことに気がつきました。
 そこで、勉強。調べた結果を書き出してみました。

安 あ 加 か 左 さ 太 た 奈 な 波 は 末 ま 也 や 良 ら 和 わ (无 ん)
以 い 幾 き 之 し 知 ち 仁 に 比 ひ 美 み   い 利 り 為 ゐ
宇 う 久 く 寸 す 川 つ 奴 ぬ 不 ふ 武 む 由 ゆ 留 る   う
衣 え 計 け 世 せ 天 て 禰 ね 部 へ 女 め   え 礼 れ 恵 ゑ
於 お 己 こ 曾 そ 止 と 乃 の 保 ほ 毛 も 与 よ 呂 ろ 遠 を

(付記)
 この五十音図は、ひらがなで歴史的かなづかい(平安時代中期の言葉を規準に考えられたかなづかい)のために書かれた図です。
 『広辞苑』第二版の解説によれば、ひらがなは、平安時代初期に、漢字の草体から作られた草のかなをさらにくずして作られたそうです。
 したがって、この図を見ても、漢字の草体(草書体)を知らなければ、どうしてその漢字がそのひらがなのもとになったのかよく分からないものがあると思います。
また、歴史的かなづかい・現代かなづかいの五十音図に出てくるひらがな以外に、日本ではさまざまな字体のかなが使われてきました。それらのもとになった漢字もいろいろです。例えば、「ki」の音節を表すかなには、「幾」がもとになった「き」もあれば、「木」がもとになった「木」みたいな形のかなもある、というぐあいです。
歴史的かなづかいだって、実はいろいろあるし、上記のかなづかいを「契沖かなづかい」と呼ぶべきだという学者もいます。
なお、「ん」のひらがなが作られたのは鎌倉時代以降なので、この五十音図の「ん」はおまけです。