
川越大師 喜多院には、大師堂として親しまれる慈恵堂があります。いわゆる本堂。その向かって左手奥に大きな亀がいるのをご存知ですか。
実は亀といっても、石碑を立てる台として亀の形に石を刻んだ「亀趺」と呼ばれるものです。
バリ島の宇宙観では、バリ島は大亀に載っているとされ、古代インドの宇宙観では、下から順に蛇、亀、四頭の象が世界の半球を支え、さらにその半球の上に立つ八頭の象が須弥山を支えているのだそうです(杉浦康平『宇宙を叩く―火焔太鼓・曼荼羅・アジアの響き』工作舎、2004年、81-82ページ)。
しかし、この亀趺に石碑は見あたりません。どうやら失われてしまったようです。亀趺の置かれた場所が「川越城主 松平大和守廟所」の入口なので、石碑にはきっと貴重な事跡が刻まれていたのでしょう。
とはいえ、亀は重荷を下し、どこかくつろいだ風情。愛らしく、喜多院にお参りするたびに立ち寄って頭を撫でています。
ご利益で長生きするかしら?


