昨年(2023年)の11月。自治会の掲示板で「川越・入間地区の文人・画人展」という展覧会が開催されることを知り、会場の蓮馨寺講堂に向かいました。

展示されていたのは、故石川勝利氏(1942-2021)のコレクション。同氏は教育者(数学の先生)として東京教育大学附属坂戸高校を振り出しに、埼玉県下の高校に勤務。多彩な趣味の持ち主で、短歌を詠み、篠笛を吹くとともに、埼玉県内の文人・画人の書画を多数収集しました。

展覧会はそれらのコレクションを無料で公開。展示物の撮影も自由。さらに、公共団体や作者ゆかりのかたには無償で差し上げていると聞いて、驚いたり感心したり。

結子ちやん

石川氏が新座北高校に勤務していた当時の教え子に、女優の竹内結子がいました。

展覧会の会場で頂いた石川氏の歌集『青年眠る』(いりの舎、2022年)には、竹内結子のことを詠った一連の短歌が収められていて、「結子ちやん」と題されています。その中から2首引用してみます。

教え子の主役演ずるドラマとて再放送を深夜また見つ
【令和元年九月女優竹内結子氏逝去】

どこにでも居さうな普通の高校生なりしよわが知る君の素顔は1

教え子の死に直接ふれることなく、その死を悼む気持ちだけがよく伝わってくる歌。

インタビューで石川尚子氏(石川夫人)は亡き夫について、「とても優しい人でした。権力を振りかざして弱い者いじめをするような人は大嫌いでしたが、子ども、女性、お年寄り、ハンディをもつ人たちなどには本当に優しかったですね。」と語っています2

新座北高校は、所沢東高校との統合により、現在は新座柳瀬高校となっています。たしか、わたしたちの日本語クラスの学習者のひとりが、そこの学生のはず。また、石川氏の最初の勤務校 東京教育大学附属坂戸高校(現在の筑波大学附属坂戸高校)の学生も、ボランティアで日本語クラスに来ていました。 石川氏とわたしたちの日本語クラスには何かと縁があるようです。

  1. 竹内結子は1995年に大蔵省のCMでデビューしました。
  2. 「東上沿線物語:広告 埼玉県西部地域の文人・画人の作品を収集した石川勝利氏のコレクション展」(取材2023年9月)。https://tojoshinbun.com/ishikawa-2/ 2024年2月4日閲覧。